

駅からは、徒歩10分程度の距離に鹿島の一宮である『鹿島神宮』がある。そこで手に入れた鏑矢など、ご利益のある土産を持ったお年寄りや外人の参詣者の姿がちらほらと見える。
また、鹿島と言えば、『鹿島アントラーズ』を忘れてはならない。そのアントラーズのホームスタジアム『カシマサッカースタジアム』も近い。この日は試合の無い日で、駅周辺は静かだったが、アントラーズの試合や代表戦などがある日は相当に賑やかになるのだろう。
アントラーズの存在により、サッカーの街として栄え、今や日本有数の「サッカーの街」として認知されるようになった鹿島。その鹿島で活躍するサッカーの名門を取材するとあって、否応無しに期待は高まる。

明治43年創立、90年以上の歴史を持つ学校で、農業学校としてスタートしたせいか、それを象徴するかのように、校舎の一角には水戸地方の代表的民芸品である農人形の象が立っていた。また、校舎と校舎の間にひっそりとした庭園もあってなかなかの趣だ。校内に庭園、というのは他と比べると非常に珍しい。

グラウンドもあきれるほどの広い。陸上のトラックにサッカーグラウンド、野球用のグラウンドにテニスコートなど、スポーツの部活動が盛んであることは一目瞭然である。その敷地を試しに一周してみたが、歩き終わったころにはすっかり汗ばんでいた。それから、グラウンドの周囲には本当に緑が多い。歩いているだけで嫌というほど目に飛び込んでくる。この周囲の環境の良さも、この学校の特徴のひとつだろう。

鹿島高校サッカー部は、県下ではその名を轟かす名門で、「その名を知らぬ者はいない」と言っても過言ではない。それを裏付けるのが、校内にある“ミュージアム”。校内の一角が運動部系のクラブで過去に得た、賞状や盾、トロフィー、記念ボールといったモニュメントが展示され、結果的に小さなミュージアムになっている。中でも一番多いのはサッカー部が授与された記念品の数々だ。優勝で得た賞状やトロフィーに混じって、茨城県知事や県の教育委員会からの感謝状などもあり、ここの陳列品で鹿島高校サッカー部の過去の輝かしい戦歴を一望することができる。
鹿島高校サッカー部の創立は昭和47年。過去のタイトルは冬の全国高校選手権でのベスト16を皮切りに、2回の関東大会準優勝や新人戦優勝、その他地域レベルの大会の優勝は数え切れない。また、高校サッカー部とクラブのユースチームを交えて最強を決する場、“超”が付く名門校と強豪Jリーグのユースチームが名を連ねる『JFAプリンスリーグ』にも3年連続で出場するなど、県下だけではなく、全国区的にサッカーの名門校として名を馳せている。

「サッカーの原点は1対1で負けないこと」。それが内野流サッカー哲学だ。“和”を重んじ、とかくチームワークを重視するあまりに「1対1」という、対峙の原点が希薄になりがちな、昨今の日本スポーツ界。チームが勝つ以前にまずは個人が負けないように、という思いが内野先生の指導の根底にある。内野先生独特のサッカー指導のひとつは、「練習は長くても2時間」というもの。「練習をただダラダラと長くやっていてもほとんど効果はない」「短く濃い内容の練習がウチの練習法」と語る。
先のプリンスリーグ3年連続出場や、2回の関東大会準優勝といった実績は全て内野先生の指導による結果……と考えると、「短く濃く」という独特の練習法は、今やすっかり鹿島高校サッカー部のカラーとなって定着している。

練習はフィールド・プレーヤーとゴールキーパー(以下GK)が2セクションに分かれて練習を行う。GKの練習は向かい合ったGK同士でパントキックを打ち合うウォーミングアップからスタート。徐々にペースを上げ、やがて全開モードのキャッチング練習に入っていく。練習は思った以上に激しく、ローリングダウンやダイビングキャッチ等、実戦的なキャッチングがバンバン飛び出す。あまりの激しさに選手達の周囲には土煙が上がる。かなりレベルが高い選手もおり、キャッチングの的確さ、ボールへの反応の早さなど素人目にもかなりのレベルに達しているのが分かる。レギュラー争いも含んだ練習なのだろうか、近寄るのがはばかられるほどピリピリしたムード。
対してフィールド・プレーヤーの練習は「楽しい」という言葉がピッタリくる。みんなで声を掛け合い、フィールドを駆けめぐる。ハーフコートのシュートゲームでは、「何やってんだよー」とか「あ”-駄目だ、失敗!」と言った声が飛び交うほどである。ときおり、鋭いシュートや、トラップ→シュートの連携が抜群に巧い選手もいたりして、見ているだけでも楽しい。しかし、ボールキープを主体とした練習では、一転してハードになった。かなり激しい当たりを喰らわせるDFと、それに負けじとボールキープに努めるアタッカー。「サッカーの原点は1対1で負けないこと」という内野先生の信念をここに見た。

ポジションは中盤、ボランチです。このチームは、守備からリズムを作って攻撃に繋げるチーム。というわけで見て欲しいのは、このチームのディフェンス力とディフェンスから始まる展開です。僕自身、そういった展開の要であるポジションに就いていますし。 目標は、いろいろありますが、全国大会への出場。もちろんプロを目指しています。あと、茨城県の選抜チームにも選出されているんですよ。そっちの方でもいい結果が出せるよう、頑張りたいですね。好きな選手は、同じポジションということでリヴァプールのスティーブン・ジェラード。見習うことの多い選手です。

ポジションはセンターバックです。もともとは中盤のプレーヤーだったのですが、DF陣の怪我人が多く、また自分の体格もあって(身長186cm)こっちにコンバートされました。守備の要ですが、自分、攻撃が大好きなもので(笑)ガンガン上がっていくタイプのディフェンダーだと思っています。ディフェンスラインに張り付くんじゃなくリベロっぽい感じですね。 将来的には、プロになれなくても、どこかでボールを蹴っていられればいいな、と思っています。好きな選手は外人ならパブロ・アイマール、日本人なら小野伸二とトップ下の選手が好きですね。

マネージャーの仕事としては、練習中のドリンクを用意したり、選手のビブスやユニフォームの洗濯、薬やテーピングなど、やることは沢山ありますよ。これだけ部員の多いクラブなのでマネージャー6人体制で頑張ってます。 マネージャーをやってて楽しいことはいろいろありますけど、やっぱり試合で勝ってくれたときが一番かな。私たちは試合には出ないけど選手達と気持ちは一緒。負ければ悔し泣きしますし(笑)、勝てば嬉しい。あ、あとカシマサッカースタジアムに出入り出来ちゃったりするのも楽しいですね。鹿島高校サッカー部で強くアピールしたいことは、やっぱりディフェンスから始まるこのサッカー部独特の展開ですね。あと選手のチームワークなんかもぜひぜひ見て欲しい!

また、近いところでは、8月11~13日の日程で開催される鹿島サッカーフェスティバルでの優勝を目標に据えている。鹿島アントラーズのユースチームなども出場するこの大会、街の人も大きく注目する地元開催なだけに、ぜひとも好成績が欲しいところである。




